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弁理士試験合格を目指す子育てママです。

過去問からの記憶定着

自分の忘却曲線をなだらかにするために書いています。

 

意匠

3条1項 同一(1号、2号(ネットに瞬間的に上がる程度ではだめ。(←デザインの引用例として書かれたHPがすぐ削除されていた場合など、引用として疑義があるためか。基本は下記の審査基準理解で。)あるいは類似意匠(3号)

3条2項 非類似形状含む(意匠に限られない。広い。)。ただし、3条1項が適用できる場面は、3条1項優先適用

(以下カッコ内、意匠審査基準より(赤文字は自分で色分けをしました)(https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/isyou-shinsa_kijun/6.pdf

22.1.2.7 電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠について

(3)公衆に利用可能について 公衆に利用可能とは、社会一般の不特定の者が見得るような状

態におかれていることを指し、現実に誰かがアクセスしたという 事実は必要としない。例えば、インターネットにおいて、リンク が張られ、サーチエンジン(注1)に登録され、又はアドレス(注 2)が公衆への情報伝達手段(例えば、広く一般に知られている 新聞、雑誌等)にのっており、かつ公衆からのアクセス制限がな されていない場合には、公衆に利用可能である。

22.1.2.8.1 意匠登録出願前に、引用する電子的意匠情報が公衆に利用可 能な情報であること

インターネットにのせられた情報は、不特定の者がアクセ ス可能な情報であり、頒布された刊行物に記載された情報と 同様の情報伝播力を有するので、通常、公衆に利用可能な情 報である。

ホームページへのアクセスにパスワードが必要であった り、アクセスが有料である場合でも、その情報がインターネッ トにのせられており、その情報の存在及び存在場所を公衆が 知ることができ、かつ不特定の者がアクセス可能であれば、 公衆に利用可能な情報であるといえる。)

(2)電子的意匠情報が公衆に利用可能な情報と認められな いものの例

インターネットにのせられていても、以下に該当す るものは公衆利用可能性があるとは言い難い。

1インターネットにのせられてはいるが、アドレスが公開されていないために、偶然を除いてはアクセスできないもの

2情報にアクセス可能な者が特定の団体・企業の構成員等に制限されており、かつ部外秘の情報の扱いとなっているもの(例えば、社員のみが利用可能な社内システム等)

3情報の内容に通常解読できない暗号化がされているもの(有料、無料を問わず、何らかの手段により誰でも 暗号解読のためのツールを入手できる場合を除く。)

4公衆が情報を見るのに充分なだけの間公開されていな いもの(例えば、短時間だけインターネット上で公開 されたもの))

 

暗号化されいても解読できてしまえば、オープンになっているということなのね。

 

3条の2

意匠公報VS意匠

(公報による準公知だから)

 

4条

意匠(公知非類似意匠含む。)

 

 

過去問と呼吸を合わせる

H28−7意匠 分割

意匠登録出願人は、2以上の意匠を包含する意匠登録出願について手続き補正をすることができる時期であれば常にその出願の一部を一又は二以上の新たな意匠出願とすることができる。

 

条文10条の2

意匠登録出願人は、意匠登録出願が審査、審判、再審に係属している場合に限り、2以上の意匠を包含する意匠登録出願の一部を一又は二以上の新たな意匠出願とすることができる。

 

10条の2を一部書き換えた条文通り問題。常には強すぎる感もするが、条文通りで、足をきっていると思う。

 

客体的要件

2以上の意匠を包含する意匠登録出願について常に分割できる。

8条(組物)の場合は組物の要件に合わない等、8条違反でないと分割できないとならったような。。条文通りなので、有無を言わさずそこまで踏み込まないということか。条文通りなので、有無を言わさずそこまで踏み込まないということか。

 

時期的要件

手続き補正をすることができる時期であれば常に分割できる。

はその通り。

 

また、意匠では分割、変更がセットになって一問出題されるが、制度としては似ていないので、別ものと考えて解いていくと解きやすかった。

分割は補正とセット

変更は特許の拒絶査定がきた時に美的外観だけでも守ろうと意匠にするものだから意匠出願にジャンプして入って来るイメージ

 

 

160条 拒絶査定不服審判における審判官による審査への差し戻し

青本P496

『査定を取り消した場合、審判官は事件についてみずから審決をする権限を有することはいうまでもないが、必ずしも全ての場合に特許すべきかどうかについてみずから審決する必要はなく、審査に差し戻しすることもできる。

 

(審判官が査定を取り消し、差し戻し審決となるのは次のような場合)

『…その一は審判の請求が正当であり、拒絶査定を維持することができない場合、

その二は審査手続に重大な欠陥があり、そのままでは審判の基礎に用いることができない場合

その三は査定の成立過程そのものに法令違反があり、査定の存在が疑問である場合である。』

 

ここで審判官の気持ちのイメージとしては

その1の場合→登録査定が妥当だな〜。

その2、その3の場合→審査官(あるいは出願人)テキトーにやってんな〜。

でしょうか。つまり、心証としては今回の拒査不服審判請求には意味がありこの拒絶査定は維持できない、登録査定に気持ちは傾いている一方、でも登録査定のための証拠が足りない。

 

そこで審判官がやることは(注意!審判長でない。まだ審決が熟していないからH28−19−1

とりあえず拒絶査定は取り消す→でも登録査定にすべき理由も欠けていることから、登録査定も打たない→審査官に差し戻して審査させる。

 

青本P496

『…本条の重点はむしろ、二項である。すなわち、審判官が査定取り消しの理由とした判断が無視されたのでは、上級審としての審判の意義がなくなるので、二項によってそれを防止したのである。したがって、ある特許出願が他の特許出願の後願であるということを理由とする拒絶査定が審判で取り消された場合には、その出願の後願ではないと判断されたのであるから、審査官は重ねてその特定の出願の後願であるという理由で拒絶査定をすることはできない。』

 

すなわち、審判官の先ほどの気持ちには下記の矢印の気持ちが加わるイメージでしょうか。

とりあえず拒絶査定は取り消す→でも登録査定にすべき理由も欠けていることから、登録査定も打たない→審査官に差し戻して審査させる(←基本的には登録査定に必要な根拠を出してね。新たな拒絶理由は発見しない限りは。

 

 前へ、前へ。

 

 

159条と163条(50条と53条の関係から読み解く)

場面は拒絶査定不服審判

159条 審判官による処理手続

163条 (前置審査)審査官による処理手続

 

前回の記事の続きで、159条、160条さらに場面想定をしていきたいと思います。

 

159条、163条のそれぞれ1項、2項は50条、53条の読替え準用なので、まず50条、53条の関係を理解することが大切。

 

条文の位置は50条(拒絶理由通知)が先に来ているが、第17条の2;補正をする場面➕第1項1号または第3号に揚げ場合(同項第1号に揚げる場合にあっては拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。);最後の拒絶理由通知の場面において、補正の要件を満たさない場合(新規事項を追加する等)は53条1項(補正却下)が優先適用される。

 

話を159条、163条に戻すと、どちらも

1項 53条(補正却下)の読替え準用

2項 50条(拒絶理由通知)の読替え準用

である。

さらに青本P494の「…補正却下の対象となるのは、拒絶査定不服審判請求時の補正、拒絶査定不服審判における第2回目以降の拒絶理由通知に対する補正、及び拒絶査定不服審判における拒絶理由通知と合わせて50条の2(分割出願において他の特許出願におてい通知済みの拒絶理由を再度通知する場合)の規定による通知がされた場合…」

そうなんですよね、159条、160条ともに17条の2第1項4号が何気に含まれていて、ということは拒絶査定不服審判請求時の補正は最後の拒絶理由通知と同様に扱う!!と書いてあるんですよね。

 

もう一度、拒絶査定不服審判で補正却下になるのは下記の三つの場面。(最後の拒絶理由通知の補正要件の制限がかかってくる。)

(注意!!拒絶査定不服審判前の補正に関してはそもそも最後の拒絶理由通知の補正制限はかからない。審査官も看過されたものだから、もう一度審判段階で補正のチャンスあげます。H27−8ーハ)

 

1.拒絶査定不服審判請求時の補正

2.拒絶査定不服審判における第2回目以降の拒絶理由通知に対する補正

→つまり、

拒絶査定不服審判と同時に補正をした場合→前置審査でその補正が補正の要件は満たし(新規事項の追加等)補正却下にならなかった。かつ、査定と異なる拒絶理由①(進歩性等)が発見された→審査官は163条2項で拒絶理由が打たれる。→出願人はその応答として補正する。→審査官は先ほどの拒絶理由①が解消されていないため、同様の内容で拒絶理由②を打つ。→出願人は補正で応答する。→その補正が最後の(拒絶理由通知に対する)補正の要件違反になる場合は補正却下となる。

 

拒絶査定不服審判と同時に補正をした場合;ここの場面設定が難しい。おそらく、拒絶査定不服審判を請求するくらいだから、拒絶査定の根拠となる拒絶理由に対しああでもない、こうでもないと補正を出願人はかけてくる。特許庁としては、それもう査定で散々やったじゃないですか、という心証なんだとおもう。でも163条の2項の拒絶理由を打つときはちょっと違う、「あ、新しい、拒絶理由あったね〜。じゃあ、もう一度補正のチャンス二回あげるね〜。」って感じなのだろうな。

 

(2)拒絶査定不服審判と同時に補正をしなかった場合→審判官の合議体による審理

 

3.拒絶査定不服審判における拒絶理由通知と合わせて50条の2(分割出願において他の特許出願におてい通知済みの拒絶理由を再度通知する場合)

53条で補正却下の対象となる補正は、下記の補正要件違反のもの。

17条の2

3項 新規事項の追加

4項 発明の内容を大きく変更する補正(シフト補正)

5項 目的の制限(請求項の削除;特許請求の範囲の特定の減縮;誤記訂正;拒絶理由に示す事項についてする明瞭でない記載の釈明を目的とする補正)

6項 独立して特許を受けられない補正

 

青本P500

(前置審査は)実質上は審査官による再審査である。

 

過去問解いてみるっす。追記できたらします。

審判の条文位置をつかもう、159条理解

特許審判の条文位置とその内容をあやふやにしない方が理解が進むと思い、まとめることにしました。

 

条文位置 

第6章 審判

121条   拒絶査定不服審判;請求人適格、請求の対象、請求時期

122条   削除

123条   特許無効審判;請求人適格、請求の対象、請求時期

124条   削除

125条   特許無効審判;審決確定による効果

125条の2 延長登録無効審判;請求人適格、請求の対象、請求時期(123条3項準用)、審決確定による効果

126条   訂正審判;請求人適格、請求の対象、請求時期

127条   訂正審判;請求人適格の制限

128条   訂正審判;(訂正容認)審決確定による効果

129条   削除

130条   削除

131条〜157条 (訂正の請求に係る134条の2(無効審判中)、134条の3取り消し判決があった場合)を除いては、)基本的に全ての審判に適用する条文

158条〜164条 拒絶査定不服審判のための特別規定(うち162条〜164条は前置審査に関する)★

164条の2 特許無効審判のための特別規定

165条〜166条 訂正審判のための特別規定

167条   当事者系審判(特許無効審判、延長登録無効審判)の審決の効果追加(H23改正);同一人同一理由により再度請求できないとする一事不再理

一事不再理効を残すことにしたのは、一度審判を起こした者はそこで主張立証を尽くすべきだから。青本P508)

167条の2〜170条 (審決後のはなしについて)基本的に全ての審判に適用する条文

 

審判の条文はどこも必須だが、特に159条の理解が甘いと気づいたので★158条〜164条を詳しく見る。

拒絶査定不服審判のための特別規定(158条〜164条)

158条 続審主義

159条 審判官の処理手続★

160条 (審査へ)差戻審決

161条 基本的に131条〜157条(青本にはこの章の規定とある。。ちょっと謎。)は当然に適用されるべきだが、(参加制度など)当事者系対立構造特有規定に対する適用除外

161条から164条 前置審査

 

この拒絶査定不服審判159条、審判官の処理手続については場面設定がまだ定まらず私の中ではモンモンとしていまして。。下記の記載はあまり自信がありません。

 

159条 (もちろん前置審査については別途163条、164条で規定されているのでここでは除かれている。)

1項 53条読替え補正却下 (ただし、審査段階で一旦看過された(つまりOKが出された)補正に関してはすぐに却下するのではなく応答のチャンスを与える)

 

53条で補正却下の対象となる補正は、下記の補正要件違反のもの。

17条の2

3項 新規事項の追加

4項 発明の内容を大きく変更する補正(シフト補正)

5項 目的の制限(請求項の削除;特許請求の範囲の特定の減縮;誤記訂正;拒絶理由に示す事項についてする明瞭でない記載の釈明を目的とする補正)

6項 独立して特許を受けられない補正  

 

😃なるほど、1項は拒絶査定不服審判において、補正があった場合の補正却下想定している。青本P494の「…補正却下の対象となるのは、拒絶査定不服審判請求時の補正、拒絶査定不服審判における第2回目以降の拒絶理由通知に対する補正、及び拒絶査定不服審判における拒絶理由通知と合わせて50条の2(分割出願において他の特許出願におてい通知済みの拒絶理由を再度通知する場合)の規定による通知がされた場合…」というのも納得できてくる気が。。

 

2項 (50条(拒絶理由通知)及び50条の2(既に通知された拒絶理由と同一である旨の通知)の読替え準用)審判において拒絶理由を発見した場合の規定→拒絶理由通知(50条)うたれる。

   一方、審査と同じ拒絶理由を発見した場合→拒絶理由はなく、2項で問題にするまでもなく審判請求棄却審決😨

青本P494 159条

「二項は、…例えば、審査において後願を理由として拒絶されそれに不服で審判を請求した場合、後願という事実はないが新規性なしという別の 拒絶理由が発見された時が本項の問題となり、50条によって拒絶理由を通知する。審判においても睾丸の事実が明らかであれば、すでにそれについては審査の段階で拒絶理由を通知しているのであるから、重ねて拒絶理由を通知する必要はなく、直ちに審判の請求を棄却することができる。」

 

ここでなんと50条の復習もしよう。

「50条(拒絶理由通知(補正却下優先する旨含む))

審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときには、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第17条の2第1項1号または第3号に揚げ場合(同項第1号に揚げる場合にあっては拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)において、第53条第1項(補正却下)の規定による却下の決定をするときは、このかぎりではない。」

つまり、53条の補正却下の場面は下記のようになる。

第17条の2;補正をする場面➕第1項1号または第3号に揚げ場合(同項第1号に揚げる場合にあっては拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。);最後の拒絶理由通知の場面

159条に戻って、

2項(審判において拒絶理由を発見した場合(必ずしも拒絶理由を通知するわけない。審査段階の拒絶査定の理由と異なる場合のみ))

第50条及び第50条の2の規定は、拒絶査定不服審判において査定の理由と異なる拒絶理由を発見した場合に準用する。この場合において、第50条ただし書き中第17条の2第1項1号または第3号に揚げ場合(同項第1号に揚げる場合にあっては拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)とあるのは第17条の2第1項1号(拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限るものとし、拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く)または第3号に揚げる場合(拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く)又は第4号に揚げる場合」と読替えものとする。

つまり、159条の補正却下の場面は下記のようになる。

第17条の2;補正をする場面➕第1項1号(拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限るものとし、拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く)または第3号に揚げる場合(拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く);最後の拒絶理由通知の場面(ただし、審査段階での補正に対する拒絶理由は除く)➕第4号(←拒絶査定不服審判請求と同時に補正をする場合の補正);新規事項の追加の禁止と、審査と同じ拒絶理由を発見した時?

(←1項との違いは下記のように考えました。

1項は53条補正が不適法で補正却下

2項は審判段階で補正をしていない場合でも適用ありうる。また、補正した場合でも審判段階の補正は不適法ではない、しかも審査の段階で拒絶査定の理由となっていた、(←つまり、拒絶査定の理由ということは最初の拒絶理由通知、最後の拒絶理由通知と審査段階で二回はチャンスがあった。)そして、審判の場面でも同じ拒絶理由となりそう→拒絶理由を出して応答するチャンスはいらんだろう。

 

 

となると、拒絶査定不服審判請求時の補正の補正が認められない場合は新規事項の追加の禁止と、審査と同じ拒絶理由を発見した時となるか?過去問でチェックしいこう。

 

3項 2項とは逆に、拒絶の理由を全く発見することができない場合の措置→審判で登録査定が出る。

 

まとめ

1項 補正却下する時(ただし、審査段階で一旦看過された(つまりOKが出された)補正に関してはすぐに却下するのではなく応答のチャンスを与える)

2項 査定理由と異なる拒絶理由を発見した場合は通知する

(理由が同じ場合は2項マターでなく、拒絶理由を打つことなく、審決棄却)

3項 審判で拒絶理由を発見できないとき。→登録査定

 

   

 

 

 

不正競争防止法 3条マター(差止)(←15条(消滅時効)とセット)と19条マター(1項適用除外と2項混同防止表示付加請求)

試験勉強の中で、自分の理解は下記です。

2条1項各号の不正競争に該当すると民事上の措置として差止、損賠、信用回復の措置が行使されうる。

(注意:国際約束に基づく禁止行為(16条〜18条)はそもそも不正競争法の「不正競争」でない。2条1項各号に限定列挙されているものがこの法律の「不正競争」にあたる。)

(注意;不正競争では損害賠償請求にあたり、過失の推定はされてないので原告が故意、過失を立証する必要がある。)

(注意;不正競争の差止においても特許法と同様、故意過失といった主観的要件は不要である。排他的独占権でもないのに、主観的要件不要とは!!不競法の差止に頼るメリットとなりますね。)

 

不正競争以外の損害賠償請求は民法709条である。不正競争法だけ4条で損害賠償を改めて規定している。

 

さらに、損害賠償については特許法と同じく推定規定(5条)、書類提出命令(7条)がある。損害賠償額の立証は無体物である以上、難しいから。

 

15条 差止請求権消滅時効

営業秘密に係る「不正競争」(2条1項4〜9号(注意;ここでは10号は含まれていない))が継続的に行われている場合、その行為及び行っている者を知った時から3年、あるいはその行為の開始の時から20年を経過した時は差止請求権(3条)は消滅する。

←15条では3条(差止)のことのみ書いてあるが、4条(損害賠償)但し書きで15条の消滅時効は適用されている。

 

ここでのポイントは侵害者認定がその行為開始から20年たっても、ぎりぎり不正競争法で戦えるということだと考えられる。

 

(参照;民法724条

”被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しない時は、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも同様とする。”)

 

19条 適用除外

15条の消滅時効が差止あるいは損賠を請求できる期間に縛りがある一方で、19条の適用除外は形式的には不正競争に振り分けられるが、その行為一つ一つみていくと差止、損賠を請求されるのが正当でない場合。

 

19条1項1号

対象の不正競争;2条1項1号、2号、14号、16号

適用除外の理由;普通名称、慣用名称だから(ただし、ワインなどの原産地名称は普通名称になっても適用除外とならない)

 

19条1項2号 → 適用除外により差止、損賠は請求できないが混同防止表示を請求できる。

対象の不正競争;2条1項1号、2号、16号

適用除外の理由;自己の氏名だから

 

19条1項3号 → 適用除外により差止、損賠は請求できないが混同防止表示を請求できる。

対象の不正競争;2条1項1号

適用除外の理由;周知商品等表示だが、承継者による不正目的のない使用であるから

 

19条1項4号 → 適用除外により差止、損賠は請求できないが混同防止表示を請求できる。(←2条1項2号は混同が要件になっていないから)

対象の不正競争;2条1項2号

適用除外の理由;著名商品等表示が著名になる前から使用し、今も不正の目的はないから

 

19条1項5号

対象の不正競争;2条1項3号

適用除外の理由;イ)日本国内において最初に販売された日から3年が経過した商品だから

ロ)善意、無重過失でパチもんを譲り受けてしまったから

 

19条1項6号

対象の不正競争;2条1項4号〜9号(またもや10号は入っていない)

適用除外の理由;取引によって善意、無重過失によって営業秘密を知ってしまったから

 

19条1項7号

対象の不正競争;2条1項10号!!

適用除外の理由;相手が権利の上に眠っていて消滅時効がきてしまって差止請求権がきないから、悪意があってもよい?。きっとイメージは技術的営業秘密によってつくられたものが倉庫にやまずみになっている状況だろうなー。だから、物に善意ですか故意ですかって聞くわけもできないし。

(逆に言えば、消滅時効がこない限り技術上の営業秘密によってつくられた物は善意、無重過失であっても、差止、損賠の対象となるということだと思う。見つかったら一発アウトか。)

 

19条1項8号

対象の不正競争;2条1項11号12号

適用除外の理由;試験、研究目的のため

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不正競争防止法(2条と罰金)

不正競争 2条 16条 17条 18条 と刑事罰(21条)

2条1項 

1号 (商品等の)周知表示 刑事罰あり(5年、500万)

2号 (商品等の)著名表示 刑事罰あり(5年、500万)

3号 (商品の)形態    刑事罰あり(5年、500万)

 

4号、5号、6号 (営業秘密の)不正取得 刑事罰あり(10年、2000万)

7号、8号、9号 (営業秘密の)不正開示 刑事罰あり(10年、2000万)

10号(営業(技術上の)秘密を)不正利用 刑事罰あり(10年、2000万)

 

11号 (DVDなどの視聴機器)技術的制限無効化 刑事罰あり(5年、500万)

12号 (テレビ受信機)技術的制限無効化    刑事罰あり(5年、500万)

 

13号  ドメイン名      刑事罰適用なし (←著名性は必要ないし、個別具体的に民事でやってください、ということか。)

 

14号  原産地等誤認惹起   刑事罰あり(5年、500万)

 

15号  競争者虚偽事実流布  刑事罰適用なし (←民事でやってください、ということか。)

 

16号  代理人等商標無断使用 刑事罰適用なし (←民事でやってください、ということか。)

 

16条 外国国旗等の商業上の使用       刑事罰あり(5年、500万)

17条 国際機関の標章の商業上の使用     刑事罰あり(5年、500万)

18条 外国公務員等に対する不正の利益の供与 刑事罰あり(5年、500万)  

 

✳︎ 差止(3条)、損害賠償(4条)、信用回復措置請求(14条)は16条、17条、18条には適用されない。(条文の位置からも明らかか)