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弁理士試験合格を目指す子育てママです。

不正競争防止法 3条マター(差止)(←15条(消滅時効)とセット)と19条マター(1項適用除外と2項混同防止表示付加請求)

試験勉強の中で、自分の理解は下記です。

2条1項各号の不正競争に該当すると民事上の措置として差止、損賠、信用回復の措置が行使されうる。

(注意:国際約束に基づく禁止行為(16条〜18条)はそもそも不正競争法の「不正競争」でない。2条1項各号に限定列挙されているものがこの法律の「不正競争」にあたる。)

(注意;不正競争では損害賠償請求にあたり、過失の推定はされてないので原告が故意、過失を立証する必要がある。)

(注意;不正競争の差止においても特許法と同様、故意過失といった主観的要件は不要である。排他的独占権でもないのに、主観的要件不要とは!!不競法の差止に頼るメリットとなりますね。)

 

不正競争以外の損害賠償請求は民法709条である。不正競争法だけ4条で損害賠償を改めて規定している。

 

さらに、損害賠償については特許法と同じく推定規定(5条)、書類提出命令(7条)がある。損害賠償額の立証は無体物である以上、難しいから。

 

15条 差止請求権消滅時効

営業秘密に係る「不正競争」(2条1項4〜9号(注意;ここでは10号は含まれていない))が継続的に行われている場合、その行為及び行っている者を知った時から3年、あるいはその行為の開始の時から20年を経過した時は差止請求権(3条)は消滅する。

←15条では3条(差止)のことのみ書いてあるが、4条(損害賠償)但し書きで15条の消滅時効は適用されている。

 

ここでのポイントは侵害者認定がその行為開始から20年たっても、ぎりぎり不正競争法で戦えるということだと考えられる。

 

(参照;民法724条

”被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しない時は、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも同様とする。”)

 

19条 適用除外

15条の消滅時効が差止あるいは損賠を請求できる期間に縛りがある一方で、19条の適用除外は形式的には不正競争に振り分けられるが、その行為一つ一つみていくと差止、損賠を請求されるのが正当でない場合。

 

19条1項1号

対象の不正競争;2条1項1号、2号、14号、16号

適用除外の理由;普通名称、慣用名称だから(ただし、ワインなどの原産地名称は普通名称になっても適用除外とならない)

 

19条1項2号 → 適用除外により差止、損賠は請求できないが混同防止表示を請求できる。

対象の不正競争;2条1項1号、2号、16号

適用除外の理由;自己の氏名だから

 

19条1項3号 → 適用除外により差止、損賠は請求できないが混同防止表示を請求できる。

対象の不正競争;2条1項1号

適用除外の理由;周知商品等表示だが、承継者による不正目的のない使用であるから

 

19条1項4号 → 適用除外により差止、損賠は請求できないが混同防止表示を請求できる。(←2条1項2号は混同が要件になっていないから)

対象の不正競争;2条1項2号

適用除外の理由;著名商品等表示が著名になる前から使用し、今も不正の目的はないから

 

19条1項5号

対象の不正競争;2条1項3号

適用除外の理由;イ)日本国内において最初に販売された日から3年が経過した商品だから

ロ)善意、無重過失でパチもんを譲り受けてしまったから

 

19条1項6号

対象の不正競争;2条1項4号〜9号(またもや10号は入っていない)

適用除外の理由;取引によって善意、無重過失によって営業秘密を知ってしまったから

 

19条1項7号

対象の不正競争;2条1項10号!!

適用除外の理由;相手が権利の上に眠っていて消滅時効がきてしまって差止請求権がきないから、悪意があってもよい?。きっとイメージは技術的営業秘密によってつくられたものが倉庫にやまずみになっている状況だろうなー。だから、物に善意ですか故意ですかって聞くわけもできないし。

(逆に言えば、消滅時効がこない限り技術上の営業秘密によってつくられた物は善意、無重過失であっても、差止、損賠の対象となるということだと思う。見つかったら一発アウトか。)

 

19条1項8号

対象の不正競争;2条1項11号12号

適用除外の理由;試験、研究目的のため